起業時に利用すると便利といわれているバーチャルオフィス。実際にバーチャルオフィスはどんなものなのでしょうか?このサイトでお伝えしていきます。

【失敗談】バーチャルオフィスを借りた時の思わぬ落とし穴

バーチャルオフィスは低コストで事業用の住所を借りることができるサービス。

経費をできるだけ節約したい創業期の会社や、固定のオフィスを必要としない業種と相性が良く注目を集めています。

しかし中には「バーチャルオフィスを利用して失敗した」という声も。

せっかく契約をしたバーチャルオフィスで後悔することのないよう、代表的な失敗談を参考に見ていきましょう。

バーチャルオフィスの特徴

バーチャルオフィスとは、その名の通り「仮想のオフィス」のことを指します。独立した事業用スペースを使用するのではなく、事業用の住所を使うことができるサービスです。運営会社によってサービス内容は異なりますが、電話番号やFAX、郵便転送サービスを行なっているバーチャルオフィスも多いため、固定の事務所がなくても会社としての体裁を保つことができます。

また、東京都心部の港区や千代田区、新宿区などには多数のバーチャルオフィスが存在します。月額数千円〜というリーズナブルな料金で東京の一等地に会社の住所を持つことができるのがバーチャルオフィスの一番の魅力といっても過言ではないでしょう。オフィスがどこに所在するかというのは会社のイメージの決め手になるので、誰もが知っている一等地に住所を持つことはビジネスをする上で有利と言えます。

しかし、残念ながらバーチャルオフィスによってサービスの品質に差があるのも事実。これからバーチャルオフィスの利用を検討している方は、契約前に現地に足を運び、立地や建物の雰囲気、スタッフの対応の質などを確認しておくことをおすすめします。

バーチャルオフィスの失敗談

ここからは、せっかくバーチャルオフィスを契約したのに失敗してしまった!というエピソードを紹介します。

失敗談その1「基本料金以外にもコストがかかり予算オーバーに」

格安の月額料金に惹かれて都心一等地のバーチャルオフィスを契約したものの、実際には基本料金以外にも様々な料金が加算されるシステムだった。見学した時には説明されなかった保証料を契約時に請求されたり、郵便物を1通転送してもらうごとに利用料がかかり、大型の荷物はさらに別料金。想定していた月額コストを大幅に上回る結果に……。

<対策>

運営会社によって、料金設定は異なります。

HPに掲載されている料金はあくまで基本料金であり、必要に応じてオプションサービスを付け足していくというバーチャルオフィスが一般的です。自分がどんなサービスを利用したいのかを整理しておき、見学時に細かく質問することで実際にかかるコストを見積もることができます。

失敗談その2「自分の会社の住所がブラックリストに載っていた」

見学に行って、申込書を提出しただけで簡単に契約できたバーチャルオフィス。こんなに気軽に住所を貸してもらえるのかと喜んだのも束の間、自分の会社の住所がネット上でブラックリストに掲載されていることが発覚……!実はそのバーチャルオフィスの住所は、詐欺グループに悪用されていたのだ。

<対策>

審査が甘い、もしくは審査を行わずに契約できてしまうバーチャルオフィスは、犯罪グループに住所を悪用されてしまうリスクがあります。会社のネガティブな情報が一度ネット上に流れてしまうと、なかなか消すことができません。少々手間はかかりますが、できれば対面でしっかりと審査を行なっているバーチャルオフィスを選び、安心して住所を使えるようにしましょう。

失敗談その3「会議室があるけど狭くて使えない」

HPに「会議室の利用可能」と書いてあったことが決め手となり、都心のバーチャルオフィスを契約。後日、クライアントとのミーティングがあり会議室を使うためにオフィスに足を運ぶと、なんと会議室はマンションの一室。大人が2人入ると窮屈で、とても使いづらい部屋だった。

<対策>

こういった失敗を避けるためにも、契約前に必ずオフィスへ足を運んでみることが大切です。この失敗談のように、マンションの一室を会議室としているところもあれば、大小様々な会議室を設けているところもあります。取引先を招くことを考えると、広さだけでなく、清潔感やビル全体の雰囲気もチェックしたほうが良いでしょう。

失敗談その4「立地を無視したら予想以上に苦労した」

以前から気になっていたバーチャルオフィスに見学に行ったところ、立地条件が悪かった。駅から15分ほど歩き、道中にはハードな坂道が……。しかし、バーチャルオフィスを利用する上で立地はあまり関係ないだろうと思い、料金やオフィスの新しさを優先して契約。

しかし実際に利用してみると、立地条件が仕事に大きな影響を与えることに気づく。急ぎで郵便物を受け取る必要がある時や、取引先を呼んでオフィスで打ち合わせをする時には徒歩の負担が大きく、結局タクシーを使う回数が多くなってしまった。

<対策>

バーチャルオフィスとは言え、何かと現地に足を運ぶことがあります。苦労を減らすためにも、できるだけ駅から近くアクセスしやすいバーチャルオフィスを選んだほうが良いでしょう。坂道がないか、夜道は安全に歩けるかなどもチェックポイントになります。

失敗談その5「スタッフの対応が悪い」

スタッフが常駐しているバーチャルオフィスと聞き、安心して契約。しかし、実際に現地に足を運んでみると、ガラの悪いスタッフが一人で受付をしていた。郵便物の転送のことなどを質問をしても丁寧に答えてくれず不信感は募るばかり。もしも取引先がバーチャルオフィスを訪れた際に失礼な案内をされたらどうしようかと心配になってしまった。

<対策>

有人対応のバーチャルオフィスと聞くと安心感がありますが、対応の品質は契約前によく確かめたほうが良いでしょう。受付のスタッフは会社の顔とも言えます。言葉遣いや服装がきちんとしているか、受け答えは丁寧かどうかもチェックポイントです。

失敗談その6「法人口座が作れないと分かった」

バーチャルオフィスの住所で法人口座を作ろうとしたところ、銀行の審査が通らず口座を作ることができなかった。東京都心の一等地に住所を持つことができたのに、会社の口座が開設できないとなると今後のビジネスにも影響が出るので途方に暮れている。

<対策>

信用性の低いバーチャルオフィスの住所で法人口座を開設しようとすると、銀行の審査を通過できないケースがあります。そのため、「バーチャルオフィスの住所では会社の口座を開設できない」という説が流布していますが、すべてのバーチャルオフィスがそうではありません。過去の法人口座開設実績を公表している運営会社もあるので、ひ参考にしてみてください。

失敗談その7「許認可の申請が通らなかった」

独立して税理士事務所を構えることに。創業時は資金に余裕がなく、できるだけコストを抑えたかったので都内のバーチャルオフィスを契約した。しかし、税理士会に登録の際に独立した事務所の間取りを提出する必要があり、バーチャルオフィスでは開業できないと告げられてしまった。

<対策>

業種によってはバーチャルオフィスで開業できない場合があるので注意が必要です。税理士や弁護士のような士業、不動産業、古物商などは登録や許認可を取得する際に一定の条件があります。登記先、事業所の住所にどんな条件が定められているのか事前に確認しましょう。

失敗談その8「似たような名前の会社があってややこしい」

契約したバーチャルオフィスに、自分の会社の名前と似ている会社が入居していることが取引先の指摘により発覚。法的には問題ないけれど、郵便物の取り間違いや、取引先を混乱させてしまう可能性があり登記先の変更も視野に入れている。

<対策>

「株式会社AAA」と「AAA株式会社」「株式会社aaaグループ」のように、名称が似ている会社が同じバーチャルオフィスを利用している可能性は0ではありません。丁寧に審査を行なっているバーチャルオフィスの場合は契約前にきちんと調べて情報提供してくれますが、説明がない場合は念のため確認しておいたほうが良いでしょう。

失敗しないためにも情報収拾や見学をしよう

バーチャルオフィスは東京でビジネスを始めたい起業家たちにとって魅力的なサービスです。しかし、料金の安さだけに惹かれて安易に契約してしまうのは禁物。必ず事前調査を行い、いくつかのバーチャルオフィスを比較してみることをおすすめします。

登記先を変更するには、手間と時間、お金がかかります。そのようなロスをなくすためにも、登記先のバーチャルオフィス選びは慎重に行うべきでしょう。

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